一般社団法人 茗渓会

筑波大学同窓会
筑波大学/東京高等師範学校/東京文理科大学/東京農業教育専門学校
/東京体育専門学校/東京教育大学/図書館情報大学/図書館短期大学
2013年8月6日掲載

学生活動支援事業紹介「筑波大学宇宙技術プロジェクト」

活動の概要

筑波大学宇宙技術プロジェクト(以下STEP)は、2006年5月に筑波大学の工学を専攻にする学生有志を中心とし、設立された。STEPでは、技術者になるためのトレーニングの場として、ロケットや人工衛星といった宇宙に関する技術を題材にしたものづくりを中心とした活動を展開している。また、プレゼンテーションの場を積極的に設け、研究者・技術者として発表するトレーニングも行っている。

主な活動

①ハイブリッドロケットの製作、打ち上げ
ハイブリッドロケットは”液体の”酸化剤と”固体の”燃料を組み合わせた(ハイブリッド)ロケットである。STEPでは酸化剤に亜酸化窒素(N2O)、燃料にABS樹脂を使用している。また、ロケットの機体、パラシュート及びCanSat(詳細は下記)を放出するための分離機構、飛翔データを計測するための計測回路、燃料充填を確認する計測機器の開発を行っている。STEPでは毎年8月に開催される能代宇宙イベントにおいて、独自で製作したハイブリッドロケットの打上げ実験を行っている。
②CanSatの製作
CanSatとは、缶サイズにおさまる大きさの模擬人工衛星であり、STEPでは積極的に開発がおこなわれている。役割としては、放出後に自動で目的地にたどり着くものや、降下しながらさまざまなデータを計測することである。製作された機体は能代宇宙イベントで行われる「缶サットコンペティション」という競技に出場又はハイブリッドロケットに搭載し、上空での放出実験等を行っている。最終目標としては、空及び陸において放出後に自動的に目的地にたどり着く自動制御ロボットを作ることである。

プロジェクト体制

STEPでは、ロケットの打ち上げを行うロケットプロジェクトを主要な活動としている。このプロジェクトにおいて、プロジェクトを管轄するプロジェクトマネージャー及びロケット・CanSatの製作を担当するエンジン班、機体班、分離班、電装班、衛星班の5つの班を設けている。

年間の主なイベント

3月 地上燃焼実験
地上燃焼試験は、8月に行う予定の能代宇宙イベントでのハイブリッドロケット打ち上げに向けてエンジンの燃焼実験を行い、燃焼データの測定をすることが目的である。ここで得られた燃焼データはロケット点火及び飛翔時シミュレーションに利用され、打ち上げランチャから離陸できるのか、又は想定した高度及び制御が成されるのかを検証する。
4月 筑波宇宙センター(JAXA)特別公開での展示
4月に行われた筑波宇宙センター特別公開で、活動の展示を行う。STEPの活動を一般の方々に広報することができ、筑波大学及びサークル活動の理解を深めることを目指している。
4月 公開地上燃焼実験
4月の地上燃焼試験は、一般の方に向けて公開して行う。燃焼試験を見学していただくイベントであり、科学技術週間の一環として実験をしている。一般の方に楽しみつつ理解を深めていただけるように、毎年工夫をしている。もちろん、地上燃焼試験として燃焼データの取得が主要な目的である。
7月 地上燃焼実験成功
3月及び4月の地上燃焼試験と同様に燃焼データの取得を行う。8月の能代宇宙イベント前の最後の燃焼試験である。
8月 能代宇宙イベント
秋田県能代市で行われるイベントである。ここでは、全国のロケットを製作している団体が集まり、ロケット打ち上げ実験を行う。また、CanSatの競技も行われる。このイベントでは、1年をかけて製作した2機のハイブリッドロケットの打ち上げを行う。2013年度では、1機は陸で打ち上げ、1機は海に向けて打ち上げる。能代宇宙イベントはSTEPの主要イベントであり、様々な実験を行うことができる貴重なイベントである。
10月 筑波宇宙センター(JAXA)特別公開での展示
春に続き、特別公開で展示活動を行う。
11月 学園祭
大学の学園祭に参加をし、能代宇宙イベントで得られた結果を発表する。また、イベントを行い、2012年度では子どもたちに傘袋で小型のロケットを作ってもらい飛ばすというイベントを行った。2013年度では子どもたちに水ロケットを製作してもらい、実際に飛ばすというイベントを行う予定である。
  • 学園祭写真
  • 製作中