一般社団法人 茗渓会

筑波大学同窓会
筑波大学/東京高等師範学校/東京文理科大学/東京農業教育専門学校
/東京体育専門学校/東京教育大学/図書館情報大学/図書館短期大学

理事長からご挨拶申し上げます

portrait 令和3年 新年のご挨拶
 
 新年明けましておめでとうございます。
 全国会員の皆様の益々のご健勝とご活躍を祈ります。
 会員の皆様には、日頃、茗渓会活動にご協力いただき敬意と感謝の念で一杯です。
 昨年、突如として猛威を振るい、今なお第3波蔓延の勢を見せる新型コロナウィルス禍や近年の激しい風水害等と対峙して頑張っておられる皆様方に心からの激励とお見舞いを申し上げます。
 今年は一年間延期になった東京オリ・パラリンピックの開催があと半年余りに迫っています。
 われわれ茗渓会には、本会の運営や諸事業などに厳しい対応が待ち構えています。
 新しい年を迎えるに当って、コロナ禍や現在進行中の茗渓創基150年記念事業等に対して、私自身の諸々の思いを述べ決意を表しておきたいと存じます。
 歴史を直視すると、丁度100年前、スペイン風邪大流行当時の事情と似ていて参考になります。大正8・9・10年の間に3度の波があったとされます。最大とされる大正9年の新聞には〝恐ろしい流感の恐怖時代襲来す〟〝咳一つ出ても外出するな〟などの記事が見られます。ワクチンは不発でしたが、マスクの着用やうがいがわが国の衛生習慣として、この時に根づいたようです。TVやインターネットのなかった当時、広報にはもっぱらポスターを多用したようです。世界でもわが国でも多くの患者、死亡者があったことは周知の事実です
 科学技術が発達した現今の新型コロナウィルス感染に関して、公衆衛生の専門家某氏は、ワクチンの進歩を除けば「マスクをする、密集を避ける、患者を隔離するといった感染症対策の取り組みは変らない。そして当時の対策は感染拡大のスピードに対して遅れた面があったようで、今回は正確な情報を素早く集めて住民に公開することが重要で、今に通じる教訓だ。」と指摘しています。
 この時代の一面の社会背景として、茗渓関係の先達の動向を窺い知るのも興味のあるところです。
 大正7年に東京高師の大学昇格運動が活発化をみせ、翌大正8年にはいよいよ本格化し、学内では教授の会、学生大会、そして茗渓会も一緒になって総決起の気運が高まりました。その昇格運動の中で、学生であった大和資雄さん作詞の宣揚歌が生まれました。
 大正9年は、第7回オリンピック競技会(アントワープ)には嘉納治五郎先生が臨席され、日本代表選手には主将、十種競技として野口源三郎さん(NHK・大河ドラマ・いだてんに登場)が活躍されました。金栗四三さん及び野口源三郎さんなどの手によって創設された第1回箱根駅伝では高師が優勝しています。
 大正10年の第5回極東選手権大会(上海)には野口源三郎さんが選手団々長として選手団を率いて国際競技大会に臨んでいます。
 大正11年には、嘉納先生は講道館文化会を創立して、精力善用・自他共栄の理念を世に発表されました。その翌年、前述した大学昇格案が議会で決定されました。(その後関東大震災のため開学は昭和4年になります。)
 大正12年は関東大震災で大きな被害を受けました。
 我が国の歴史の中で、疫病や自然災害などで受けた惨状は繰り返し語り継がれています。その度に次への前進を目指して立ち直り、社会の安寧を招来しました。
 今、われわれは暗い気持ちに蹲ることなく、専心コロナ禍に立ち向かって斗いながら、次への明るい希望の時代へと繋げるべく、今という時に成すべきことを明確に計画して、それそれの状況に応じたペースで、前へと走り続ける必要があります。このことは嘉納先生の説く〝精力善用、自他共栄〟にも通ずるものと考えます。
 幸い、われわれ茗渓人には茗渓創基150年記念事業という目標を4年間に亘って計画し、準備・実施してきています。
 ここで、もう一度、この記念事業の意義について触れておきます。「われわれ茗渓人は、本会が時代を乗り越えて連綿と活動を続けてきたことに最大の敬意を表すとともに、先達の高邁な思いや誇り高き伝統に思いを馳せ、レガシーを大切にして、はたまた、将来に亘り本会の新たな発展を期して、茗渓創基150年の意義ある記念事業を興すことにあります。茗渓の仲間に役立ち、より絆を深める互助の事業として、また、次世代への継承の事業として進めるものです。この事業は茗渓会あげての行事であります。本会々員こぞって自ら力を結集する必要があります。総意を練りあげていく中で、情熱と誠実さ、そして共助の精神が源泉となりましょう。この在り方こそが茗渓会の絶大な遺産の価値を更に将来に向って高める機会になると信じます。」(「茗渓」№1100号)
 とにかくコロナ禍で意気消沈になりがちな日常を撥ね除けて、成すべきことを可能なペースで走り続けることの何かを自問すれば…われわれ茗渓人には記念事業が待っています。
 コロナ禍で難事になっている本会運営行事や記念事業等は修正等を加えながらも遂行の責があります。記念事業のコンセプトは茗溪文化の〝伝承と創造〟です。茗渓のレガシーをおろそかにすることは歴史が許さないと考えます。この事業の過程は未来への途です。将来を創る道程であります。更に加えれば茗渓会中興を目指すものなのです。
 嘉納先生は盡己竢成の言葉を残されています。成するまで努力し続けるの意です。新しい年に際して、先生の言葉を体して、私自身叱咤激励の気概に溢れているところです。
 最後になりますが、全国茗渓会々員の皆様に対し、本会の益々の発展のために、ご鞭撻ご協力を切望して、ご挨拶といたします。

茗渓会理事長 江田 昌佑