一般社団法人 茗渓会

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東京茗渓会 ニュース
2017年5月20日掲載

第22回茗渓・筑波大学産業人会報告

日時/2017年5月17日(水) 19:00~21:30
場所/茗渓会館4階 新泉の間
懇親会/茗渓会館1階 カフェ&レストラン
参加/38名
話題提供者/三橋浩志さん
文部科学省 初等中等教育局 教科書調査官
1988年 第一学群 自然学類 卒業、1990年 教育研究科 修了

題目『社会科教科書における記述の変化 「チューリップ日本1位は富山?新潟?」などを巡って』

三橋さんは、文部科学省初等中等教育局で教科書調査官を務めていらしゃいます。ご専門は社会科・地理・地図。各教科書会社が製作する教科書の、検定作業を行っていらっしゃいます。

私たちは、「イイクニ作ろう鎌倉幕府」と覚えましたが、それが訂正されるという報道がありました。なぜなのか。それを三橋さんはいろんな史実に基づいて解説してくださいました。

また「江戸時代は果たして鎖国していたと言えるのか」という命題も、私たちに提示してくださいました。江戸時代に開港していた4つの窓(長崎・対馬・薩摩・蝦夷)の輸出入量は、そこそこのものだったということです。

教科書では当たり前のように記述されてきた事柄も、歴史学者の解釈や改訂時期の議論によって変わってくるものなのだということが、よく分かりました。一方で教育現場では、今まで馴染んできた“分かりやすい・教えやすい”歴史観への執着もあるとのことです。

その他、「チューリップ生産量日本一はどこ?」という命題も、球根と切り花で違う県が日本一になるということや、私たちが「リアス式海岸」と覚えた地形は正しくは「リアス海岸」であることなど、目からウロコの1時間でした。